今知っておきたい最新乳がん検診、より高精度で痛みも伴わないものに変わるかも。

(※この記事は前ブログで掲載していた過去記事をリライトしたものです。) 

こんにちは、ふぇみブロガーのもにかです。

乳がんの検診の方法が変わるかもしれないニュースご存知でしょうか？ 

簡便・無痛・高精度な乳がん検診技術、2020年実用化を目指す

日立製作所が2017年5月24日に、痛みを伴わず簡単に高精度な乳がん検診ができる技術を開発したと発表しました。

(画像引用元：ニュースリリース：2017年5月24日：日立『図1 乳がん検診装置の模型と試作機の構造』)

詳しい技術の説明とかはこちらのHITACHIさんのニュースリリースを見てもらったほうがいいと思うのですが。

検査方法は、『360度の方向から超音波を照射し、音波の反射を360度の方向から取得するリング状の超音波デバイスを用いて自動スキャンを行う』とのことで、受診者は上の図のようにうつぶせになって水を満たした検査容器に乳房を入れるだけとのこと。

今後、日立製作所は北海道大病院と共同研究を進め、2020年頃にも人体への実用化を目指すそうです。

検査者によって技術に差がでない

この新しい検診方法のポイントは3つです。

• 検査者の熟練度に依存しない
• 検診の精度が高い
• 痛みを伴わない

まずひとつめは、自動スキャンのため検査者によって技術に差がでないという点。
40歳未満の場合、乳がんの検診方法として超音波(ゼリーを塗って機械をあてるあれです。)検診が推奨されているようですが、これは検査者の熟練度によって腫瘍の検出感度が異なることが課題となっているんだとか。

今回の新しい技術はそこの問題をクリアしたわけですね。

検診の精度が高い

次に、検診の精度が高いということ。
日立製作所のニュースリリースでは以下のように説明されています。

また、取得した音波の速度などを元に、腫瘍のさまざまな特性(硬さ、粘性、表面の粗さ)を計測可能なことに加え、乳腺内の微小石灰化も可視化できるため、検診の精度向上に貢献します。今回、イヌの臨床腫瘍を用いて5mmの微小な腫瘍の検出に成功しました。

まだ小さな腫瘍でも検出ができるとのことなので、乳がんの早期発見が期待できるでしょう。乳がんは早期発見ができれば比較的治りやすいがんだと言われているので、とても素晴らしい点ですね。

痛みを伴わない

そして、3つめのポイントは痛みを伴わないという点です。
これは、女性にとってもありがたい点なのではないでしょうか。

日本でのマンモグラフィ検診の受診率は子宮頸がんに次いで低く2014年の乳がん検診の受診率(40歳から69歳を対象)は26.1%だそうです(引用元：平成26年度地域保健・健康増進事業報告の概況)。

まぁ、他の癌の検診率も低いようなのですが乳がんの検診を受けない理由として「痛そうだから」というのはあるのはほぼ間違いないでしょうね。
少なからず私はそうです。。ほんと、やらなきゃとは思うんですが「痛そう。だからなんかこわい。。」という心理的ハードルというのはなかなか高いものですよね。

なので、この新しい検診が痛みを伴わないというのは乳がん検診への心理的ハードルを大きく下げて検診を受けようと思える本当に素晴らしい点ですね。

恥ずかしくない

3つと言いつつ、日立製作所さんの発表などには入っていなかったのですが私個人的にもうひとつ挙げたいのがこの点です。

この新しい検査方法では「うつぶせになって胸を水にひたすだけ」なので恥ずかしさも軽減されているように感じます。

マンモグラフィ検査では胸を板で挟んでつぶして検査しますよね。正直若干の恥ずかしさを感じる方もいるのではないかと思うんです。

だからと言ってマンモグラフィ検査は受けなくていい。とかって言いたいわけではなく、医療における「恥ずかしさ」の排除というのはかなり重要な点だと思うということをお伝えしたいのです。

というのも、個人的な話になるのですが私は昔から女性の身体を持っていることへの違和感のようなものが若干ありまして。
最近はそれは薄まってきてはいるのですが、他人に自分の身体を見られること、触られること、特に女性としての意味合いの強い部分を触られたりすることへの心理的ハードルがかなり高いんですね。

これは少数派かもしれないのですが、まぁやはりデリケートな部分なので「恥ずかしさ」の心理的ハードルというのは多かれ少なかれあるのではないでしょうか。

なので、今回の新しい検査方法により恥ずかしさの心理的ハードルが下がるのではないか。という点を私個人的にはとても素晴らしい点だと感じています。

あとがき

検査者による技術の差がなく、検査の精度も高く、また痛みも伴わないこの新しい乳がんの検査方法。

医療において「痛くない」また「恥ずかしさが少ない」という点は私個人的にはとても大事な点だと考えています。

『「恥ずかしい」なんてしょーもないこと言うな！』と思われる人もいるでしょうが、この心理的ハードルってかなり大きいのが現実だと思うんです。
そこを「我慢しろ！」だけで解決させようとするのは私は少し横暴だとも思うんです。

なので今回のように、技術によって精度は保った、むしろ向上した上で痛みや恥ずかしさが軽減される、なくなるというのは本当に素晴らしく身体と心の健康やQOLを向上させるとてつもなく有意義なことだと思います。

日立製作所の技術者をはじめとしたみなさんには本当に感謝の気持ちを伝えたいです！本当にありがとうございます！

問題なく早期に実用化されることを心から祈っております。

あと子宮頸がんの検査方法も変わるといいな。。

それじゃあ、またね〜