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真空パックなどのAV作品について。必要なのは安全の確保とルール作り

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こんにちは、ふぇみブロガーのもにかです。

今、ツイッターで「真空パックAV」が話題になってますね。
私も確認してみたところ「真空パック」や「首吊り」などの種類のAVが存在するようです。

真空パックAVなどについての私の考え

これらについて、作品について調べてみたり、いろいろな人の意見を見てみました。その上で至った私の考えを書いていきます。

真空パックなどのAV作品についての私の考えは以下です。

・安全性の確保が必要(まずは確認)
・あまりにも加虐性、残虐性の強いものの規制


先に言っておきますが、真空パックなどのAVを全てを禁止しろと言っているのではありません。
まずは安全性の問題をクリアにしましょう。そして、内容についてはあまりにも加虐性・残虐性の強いものは規制するべきではないでしょうか。というか、どこまではOKでどこからはアウトなのかそのルール作りをしていきましょう。その線引きについては議論して決めていきましょう。
ということです。

それぞれ詳しく説明していきますね。 

安全性は確保されているのか

まず最初に気になったのは安全性の確保の問題です。

このようなプレイをする際には専用の道具を使ったり、吸気用パイプを使ったりするそうなのですが、今回問題になっているココアソフトなどのAVでは普通の布団圧縮袋などを使っているようです。
吸気用パイプのようなものも使用しているのか不明です。

もし、そのような安全への対策をせずに撮影を行っているのであればそれはもう「表現」なんていうものから完全に逸脱しています。

仮に、出演者側もOKしていたとしてもです。

撮影のプロセスとして安全性を確保することは最低限必要なことです。

まずはこの安全性の確保がされているのかどうかの確認と、もし仮に安全への対策がとられないまま撮影されているのであればすぐさまそのような撮影方法は中止し、そして、すぐさまルール作りをするべきです。

あまりにも加虐性の強いものへの規制

真空パック作品の全てがそうなのではないと思います。ただ、いくつかの作品の作品紹介画像と紹介文を確認しましたが、あまりにも加害性・残虐性が強すぎると思われるものがいくつもありました。

例として、ココアソフトの作品のひとつの作品説明文を引用します。

今回の作品では、全身タイツ(黒色)を着た状態で、真空パックいたしました。
空気を一切残さない撮影をしてみたいと、づねづね考えておりましたが、裸状態で真空すると、どうしても首周りに空気が残ってしまう場合が多いのですが、全身タイツを使用する事により、残りの空気が布を伝い完全に真空状態を作る事が出来ました。
さらに、空気を吸い出している作業中に、肺の中の空気を吐き出す様に指示をしていたので、言葉を発する事が出来ない状態になりました。

徐々に意識が無くなり、仰け反り、痙攣を・・・ やがて動かなくなり・・・


これは「フィクションだから」で許されていいものでしょうか?
映像を実際に確認したわけではないので、私が考えているようなものではないのかもしれません。

ですが、安全性が確保されていたとしてもこの説明文にあるようなことが実際に動画の中でも行われていているのであればそれは加虐性・残虐性が強すぎるのではないかと私は思います。
それがコンテンツとして制作・販売されることは許されていいことではないと私は考えます。

 

線引きには議論が必要

人がその性癖によって差別されることはあってはなりません。
ですが、それがあまりにも残虐であったり、人の尊厳を傷つけるようなものの場合、それをコンテンツとして制作・販売することは許されていいことでしょうか?

少なからず、議論と慎重な判断が必要なのではないでしょうか。

この線引きはとても難しいものだと思います。「表現の自由」を侵害することももちろん許されません。でもだからといって全てが「表現の自由」で許されていいはずはない。表現の自由よりも優先されるべきものがあるはずです。

この線引きを決めるのはもちろん私ではないし、規制反対派が勝手に決めるわけでも、規制賛成派が勝手に決めるわけでもありません。
みんなで議論して決めていくんです。
 

性的嗜好により差別されることはあってはならない

正直言って、最初はあまりにもびっくりしてこれらの類のものは全て、完全に禁止にするべきだ。と思っていました。
そのような趣旨のツイートもしてしまいました。今では間違っていたと思っています。

この件に関するツイートの中で「快・不快、健全・不健全で規制するべきかを考えてしまうのは危険。同性愛などはそれで差別されてきた歴史がある。」というような趣旨のものを見かけて確かにそうだなと思いました。

 "自分が普通だと思っているもの"から外れたものを「不健全」だとして取り締まってしまう考え方は差別と紙一重の危ういものかもしれないと考えるようになりました。

 
なので、今回の件については「人を真空パックにいれて興奮する」という性癖自体がいいのか悪いのかではなく、それをコンテンツとして制作・販売するのはどうなのか。という方向で議論を進めていくのがよいのではないかと思います。

 

性暴力を描くAV

今回話題になっていることからは逸れますが「痴漢もの」「レイプもの」などの性暴力をテーマにしたAVについても規制されるべきだと考えます。

これらは実際に被害に遭っている方の存在する"性犯罪"です。それをコンテンツとして販売することはその被害者の尊厳を傷つけるものだと私は考えます。

これらについても説明書きを見てみましたが「嫌がってるうちにどんどん感じてきて」とかいうような記載がたくさんありました。

そういう表現があること自体が被害に遭った方たちの尊厳を傷つけていると思うし、そういうものを見て「あぁ、無理やりやってれば女の人は喜ぶんだな」って思っちゃう人って少なくないんじゃないの?って思うんです。

 

AVはフィクションなんだから大丈夫?

この記事でしみけんさんはこのようにおっしゃっています。

dot.asahi.com

「僕はセックスのクライマックスって、相手女性の顔に精液をかける『顔射』だと信じていました。中1から見始めたAVではそうやってましたから」


この意見だけをもって決めつけることはできませんが、自分が目にしたもので何の影響も受けないっていうほうが無理があると私は思うんです。たとえそれがフィクションだとしても。


規制反対派のみなさまへ

こういう規制系のことを主張すると「じゃああれもだめになっちゃうね。」みたいな嫌味を言ってくる"規制反対派"の人たちがいるけど、よく考えてほしいんです。物事を大げさにとらえて、コンテンツをよりおもしろくなくしてるのはあなた達のほうだと思うんです。

今回もすでに「じゃあSMも全部だめだね!!」みたいな嫌味コメントをいただいたんですけど、私はSM関連詳しくないし、私が勝手に判断することじゃないし、どうしてみんなで議論して決めようっていう考えに至らないのだろうかととても不思議です。

 

フェミニストは「エロはだめ」とか「全部規制!!」なんて言ってない。フェミニストは誰かに嫌がらせがしたいわけでもないし、絶大な力や権力も持ってない。ただ、自分たちの考えを声に出してるだけ。そして、それを強引に押し通そうとはしてない。一緒に話し合おうよ。って思うんです。

"規制"っていう言葉は結構パワーワードだし「何もかも規制するのか!!おもしろくなくなるじゃないか!」ってこわがる気持ちも分かります。でも、今まで何もルールなくやってきてたことがおかしかったんですよ。その"おもしろさ"のためにどれだけの人たちの尊厳が傷つけられているのか、ぜひ考えてみてください。


あとがき

「あまりにも加虐性の強いものは規制すべき」。正直、この考えにいたるまでとても悩みました。

「これは差別になってしまうんじゃないだろうか。」

今でも確信があるわけではありません。でも、それぞれが自分の考えを示していかないと何も変わらない。議論さえも起こらない。

こういう問題は本当にとても難しいです。でも、このままなんでもかんでも「表現の自由」でOKになってしまっていいのでしょうか?
みんなで議論して決めるんです。
ぜひ、自分はどう思うのか考えてみてください。そして可能ならそれを発信してみてください。

#AVを考えよう

 

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