ふぇみえら

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私は伊藤詩織さんと共に闘うことに決めた。#FightTogetherWithShiori

こんにちは、フェミニストのもにかです。

今年(2017年)の5月29日に詩織さんが記者会見を行いました。

そして先日の2017年10月18日、伊藤詩織さんは『BlackBox』という本を出版し

 

またその数日後の25日に外国特派員協会にて記者会見を行いました。


【録画】ジャーナリストの伊藤詩織さんが会見(2017年10月24日)



私は最初に彼女が記者会見をしてからこれまで、この問題についてほとんど何もアクションを起こしてきませんでした。
「どこかの団体が取り組んでくれているだろう」と思い込んでいたのです。
でも、そうではありませんでした。

今闘わなければ本当に日本はずっとこのままかもしれません。

私は伊藤詩織さんと共に闘うことに決めました。

具体的に何をしていくのか、どう闘っていくのか、正直よく分かりません。
でも何かあるはずだし、それに何よりもまずは声をあげることがとても大事なことだと思うのです。
日本の司法システム、社会のシステム・在り方と闘っている彼女を1人にしてはいけない。

「逮捕もされていないのに、この問題について触れていいのだろうか。」 

私が今まで、この問題についてあまりアクションを起こしていなかったのにはもうひとつ理由がありました。
それは「逮捕もされていないのに、この問題について触れていいのだろうか。」という懸念があったからです。

この事件に関するいくつかの記事を読みました。
そこに書いてあることが事実なのであればそれはレイプに間違いないと思いました。

でも、出てくるのは詩織さんが語った事件の概要ばかり。片側からの主張だけを見て判断していいのだろうか。そう思っていました。

ですが今になって考えてみると、そもそもほぼ彼女の側からの証言しか出てこない。それ自体がおかしいのです。
彼女は、山口敬之氏の逮捕を直前で取りやめにするというまさにその指示を出した張本人である当時の警視庁刑事部長 中村格(いたる)氏に「なぜ逮捕を取り止めたのか」その理由についての説明を何度も求めており、文書も送っているそうですがいまだに何の説明もないそうです。

なぜ事件の当事者へさえも何の説明もないのでしょうか。
この事件に関わった詩織さん以外の人間からの主張がきちんと表に出てこないこと自体がおかしいのではないでしょうか。

メディアで扱われない、それ自体がおかしい。

また、この事件についてあまりメディアで取り扱われていないことも、この事件に触れていいものかと懐疑的になってしまう理由のひとつでした。

ですが、この事件がメディアで取り扱われないこと自体がおかしいのです。

レイプというのは些細な事件なのでしょうか。しかも、その被害者であるとされる人物が実名で顔を出して会見をしているのに。
それとも、この事件を扱えない何かがあるのでしょうか。

私にはなぜなのかその理由は分かりません。でも、理由が何にせよこの事件をメディアが扱わないことそれ自体が問題なのです。
日本のメディアなのだからまともだろう。なんとなく、そんな風に信じ込んでいたのかもしれません。

彼女は日本の司法システム、社会のシステムと闘っている

「逮捕もされていないのに、この問題に触れてもいいのだろうか。」それは、犯罪を犯したとされていない人を犯罪者扱いしてしまうことになるのではないだろうか。それはまずいのではないだろうか。という迷いでした。

しかし、先日出版された詩織さんの著書『BlackBox』を読んで、そして彼女の10月25日の記者会見を見て私は詩織さんと共にこの問題と闘うことを決めました。

「逮捕もされていないのに、この問題に触れてもいいのだろうか。」そう考える必要はないのだという結論に至った大きな理由は大きく2つです。

まず、一つ目は彼女は日本の司法システム、社会のシステムと闘っているのだということ。

著書の中でも彼女はこのように述べています。

繰り返すが、私が本当に話したいのは「起こったこと」そのものではない。
「どう起こらないようにするか」
「起こってしまった場合、どうしたら助けを得ることができるのか」
という未来の話である。それを話すために、あえて「過去に起こったこと」を話しているだけなのだ。

(引用:伊藤詩織『BlackBox』[文藝春秋、2017] )

もし仮に、私たちが知らない事実があり山口氏のやったことがレイプではなかったとしても。彼女が訴えている、日本の性犯罪の捜査のプロセスの未熟さや、性犯罪の被害者のサポートがかなり不十分であること、そして性犯罪の被害者への偏見は紛れもない事実です。山口氏が不起訴であろうがそれは事実なのです。

彼女が訴えていることの核はそこです。彼女は日本の性犯罪の司法システムや社会システムと闘っているのです。

であれば、一緒に闘わない理由はありません。

これがレイプと認められないこと自体がおかしい

次に2つ目の理由は、本に書かれている事実として認められていることから考えてこれがレイプと認められないこと自体がおかしいと私は考えるからです。

 

最後に整理しておきたい。
あの日の出来事で、山口氏も事実として認め、また捜査や証言で明らかになっている客観的事実は、次のようなことだ。

  • TBSワシントン支局長の山口氏とフリーランスのジャーナリストである私は、私がTBSワシントン支局で働くために必要なビザについて話すために会った。
  • そこに恋愛感情はなかった。
  • 私が「泥酔した」状態だと、山口氏は認識していた。
  • 山口氏は、自身の滞在しているホテルの部屋に私を連れて行った。
  • 性行為があった。
  • 私の下着のDNA検査を行ったところ、そこについたY染色体が山口氏のものと過不足なく一致するという結果が出た
  • ホテルの防犯カメラの映像、タクシー運転手の証言などの証拠を集め、警察は逮捕状を請求し、裁判所はその発行を認めた。
  • 逮捕の当日、捜査員が現場の空港で山口氏の到着を待ち受けるさなか、中村格警視庁刑事部長の判断によって、逮捕状の執行が突然止められた。

検察と検察審査会は、これらの事実を知った上で、この事件を「不起訴」と判断した。
あなたは、どう考えるだろうか。

(引用:伊藤詩織『BlackBox』[文藝春秋、2017] )


詩織さんは山口氏がレイプドラッグを使用した可能性もあると言っています。彼女はお酒にとても強く事件当日のんだ程度の酒量で泥酔してしまうことは今まで一度もなかったのだそうです。しかし、彼女が警察へ向かったのは事件から数日経った後のことだったので仮にレイプドラッグを服用させられたとしても証拠がないのです。
なので、レイプドラッグが使用されたかどうかは分かりません。

でも、そもそも泥酔している人間に対して性行為をすること、もうそれだけでそれはレイプになりうるのです。相手が「合意はなかった」と言うのなら、それはもうレイプなのです。

私は、上記の今回の事件に関する事実とされていることから考えるとこれがレイプにならないこと、それ自体がおかしいのだと考えます。

私たちは性行為の合意に関する意識を大きく変える必要があるのではないでしょうか。

最後に

私は伊藤詩織さんと共に闘います。

冒頭でも述べましたが、これから具体的に何をしていくのかはまだほとんど見えていません。私はTwitterのフォロワー数も多くないし、このブログだって見てくれている人は多くありません。

でも、何よりもまずは私たちが声をあげることが重要です。

今年、性犯罪に関する刑法が改正されました。これには110年もの月日がかかりました。 これは、性暴力の被害者やその周りの人たちが声をあげ続けたことでやっと変わったのです。

また何十年も、誰かが変えてくれるのを、その間に自分が被害に遭いませんようにと願いながら待つ。それでいいのでしょうか。

この流れを止めてはいけない。
日本でやっと起こり始めたこの小さな波を私たちの力で大きなうねりにしていかなければいけない。

彼女は闘うと言っている。

これまでの月日、私は当事者としてジャーナリストとして、この「ブラックボックス」にいかに光を当てるか、そのことに集中してきた。
しかし、箱を開こうとすればするほど、日本の捜査や司法のシステムの中に、新たなブラックボックスを見つけることになったのだ。

あの日起きたことー私自身の体験、相手方の山口敬之氏の言葉、捜査、取材で明らかになった事実については、これから本書を読んで頂きたい。みなさんがどう考えるかはわからない。
それでも、今の司法システムがこの事件を裁くことができないならば、ここに事件の経緯を明らかににし、広く社会で議論することこそが、世の中のためになると信じる。それが、私がこの本をいま刊行する、もっとも大きな理由だ。

(引用:伊藤詩織『BlackBox』[文藝春秋、2017] )


ブラックボックスに光を。

私は伊藤詩織さんと一緒に闘います。

#FightTogetherWithShiori